鉄と非鉄金属2014年03月19日
現在において、鉄はその優れた加工性と低価格性、特性の多様さ、剛性といった点から主要な金属とされています。現に鉄以外の金属はまとめて非鉄金属と呼ばれているほどです。
非鉄金属の中でも軽量であることが大きなメリットであるアルミニュウムは一般的に錆びにくいと考えれていますが、アルカリに弱いという特性があり、塩害など使用条件によっては簡単に白化腐蝕してしまいます。そして鉄のように熱間鍛造による加工には不適正といえるでしょう。
鉄とニッケルとクロームの合金であるステンレス・スチールは、錆びない鉄とされていますが、この不錆の性能については合金の配合によって差があります。ステンレス・スチールは鉄の特性を失った一方、硬さと銀色の光沢という特性を得ました。その特性を生かすために、多くの場合塗装を行うことなく表面をヘヤーライン加工や鏡面磨き、エッチング、サンドブラスト等によって加工します。建築工芸の分野におけるステンレス・スチールのデザインや加工技術は、未だ発展途上で、今のところ工業的な加工技術の応用にとどまっていますが、ロートアイアン等に用いるための加工や、表面をあえて酸化させた工芸的表現というような取組も進んでいます。
金属による建築工芸は新素材や技術の発達、さらに現代の急速な建築業界の変革と発展というような新しい環境において、ますます発展していくことでしょう。