ロートアイアンのこれから2021年04月11日
完全に同一の物が造れるということは工業製品における窮局の理想といえるでしょう。その製造する物の精度如何によって製品の機能が保証されるからです。しかしその一方では、人間が自然の生産の手法を用いて直接手で物を造るという、自然物と同様の意味の姿に価値を求める世界もあります。これが工芸の価値観というものです。工芸の分野に高度な工業技術を利用する手法は始まったばかりであり、まだまだ未知の領域が広がっています。工芸とハイテクは決して矛盾するものではなく、ただ工芸というものは工業と同様の技術評価では扱えないというだけです。
人間の手による全ての製作物は結果として、人間そのものを含めて、自然の中に存在することになります。ロートアイアンにおける、人間に優しい、自然に優しい金属の在り方、未来に通じる金属工芸はこれからも発展し続けていきます。