機械を使用した物と手造りの物との違い2014年04月07日
ロートアイアン等の金属工芸において、コンピューターを使用したレーザー・カットの機械を用いて切り出された意匠のパーツを構成することによって物を造るとイミテーションのような全く同じものが出来上がってしまいます。一方、手造りの造形物はどれだけ高精度で似通った部品を集めて構成したとしても、自然な雰囲気が損なわれず、安心して見られます。たとえば、一方で、可能な限り形やサイズのそろったリンゴを複数用意して等間隔に並べ、もう一方ではその中の一つから成形型によって造られた、とても高度なイミテーションのリンゴを同様に並べて対比するとしますと、その結果は、どれも正確に全く同じに造られていればいるほど、イミテーションのリンゴの方と自然のリンゴのグループとでは決定的な差異が感じられることでしょう。自然のリンゴの集合物は、どれだけ厳選して同様のものを集めたとしても、そこには微妙なバラツキがあります。
また興味深いことに、どちらも一個ずつ対比して観察した場合は、それぞれ個性ある一個の物として極めて自然に見えるということです。