ロートアイアンと現代の工業技術との違い2013年11月23日
ロートアイアンは古くからある手仕事による鉄の加工技術です。そして、工業化による効率化と機械化による技術の進歩はあったとしても、現代のおける最新の金属加工の技術の原点はロートアイアンです。しかし、ロートアイアンは、金属を自然の素材のように見立てることによって機械や手や道具と金属とが実際に接触して加工される手元から、造形のヒントが生まれ、素材の表情のみならず、加工の痕跡までもが意匠的な価値として引き出されます。すなわち技法そのものが金属素材と一体となった不可分な関係として「もの」を表現する技術となっているのです。その点がロートアイアンと現代の工業技術との基本的な技術観の違いといえるでしょう。