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ロートアイアンについて

ロートアイアンのこれから2021年04月11日

完全に同一の物が造れるということは工業製品における窮局の理想といえるでしょう。その製造する物の精度如何によって製品の機能が保証されるからです。しかしその一方では、人間が自然の生産の手法を用いて直接手で物を造るという、自然物と同様の意味の姿に価値を求める世界もあります。これが工芸の価値観というものです。工芸の分野に高度な工業技術を利用する手法は始まったばかりであり、まだまだ未知の領域が広がっています。工芸とハイテクは決して矛盾するものではなく、ただ工芸というものは工業と同様の技術評価では扱えないというだけです。
人間の手による全ての製作物は結果として、人間そのものを含めて、自然の中に存在することになります。ロートアイアンにおける、人間に優しい、自然に優しい金属の在り方、未来に通じる金属工芸はこれからも発展し続けていきます。

鉄の特性2021年03月01日

ロートアイアンに使用する鉄は1,000度から1,300度を少し越えたぐらいの比較的広い温度帯で溶けることなく軟化状態を保ちますが、鉄以外の金属では、この軟化状態を保てるのはごく狭い温度帯においてのみです。このような突出した特性を鉄だけ有しているのです。それゆえに、ロートアイアンの製作のように、人間が直接ハンマーなどの道具を用いて金属をフォーミングすることが可能な金属材料として、鉄は最適と言えるでしょう。このような鉄の特性は、電気抵抗熱やガスバーナーを利用した切断、溶接や、鉄の特性を熱処理によって変化させる「焼き入れ」のような加工が容易であるという点においても他の金属よりも優れているのです。

手法と部材の選定2021年02月08日

ロートアイアン等の建築的な金属工芸を製作する方法について、鋳造という方法を採用するか、二次製品材料を加工して製作するかという問題があります。基本的にこの問題は製作物のコンセプトに関係することであり、鋳造部品を製作することは経済的な面からも有利な点がありますが、この場合においては、鉄部材との溶接の適性や鋳造品の強度等の諸条件から、ダクタイルなどのような優れた特性の材質による鋳造がメリットがあるといえるでしょう。

ところで、ロートアイアン等の建築的な金属工芸の製作において部材の選定が重要である理由は、それがデザインをするにあたり構想されるコンポジションの表現と決定に関して、最も繊細に拘わる要素であるという点にあります。具体例を挙げるならば、金属の部材は立体的であり、フラット・バーにしても厚みあるため、平面図面上のコンポジションで判断する場合において特に注意が必要で、どんな小さな部分でも、常に立体的な視覚によってイメージする必要があります。また、部材の薄さや厚さは微妙にその量感、質感に反映します。特に板状のものやパイプ類、中空のものなどの厚みを決定することは、当然のことながら構造上の剛性への配慮はあるとしても、表現上の要素としてもとても重要です。

ロートアイアンと新技術の応用2021年01月11日

現代における様々な進んだ技術を適切に応用してロートアイアンの製造に活かすことは、決して工芸が工業製品化することには繋がりませんでした。むしろ手工芸を保護するために必要不可欠なものとなりました。レーザーコピーを分割拡大することによって意匠図面を制作することや、サンドブラストやメタリコン塗膜、油圧プレスやエアー・ハンマーによる鍛造、成形、資料やデザインの整理や管理、プラズマ溶接やレーザー・カット等、これらの新技術の応用により手工芸は時代にマッチしたものとなることができたのです。さらに、そのような技術により現代の経済において必要な要素である迅速な納期や調達を達成することも可能となりました。

機械を使用した物と手造りの物との違い2014年04月07日

ロートアイアン等の金属工芸において、コンピューターを使用したレーザー・カットの機械を用いて切り出された意匠のパーツを構成することによって物を造るとイミテーションのような全く同じものが出来上がってしまいます。一方、手造りの造形物はどれだけ高精度で似通った部品を集めて構成したとしても、自然な雰囲気が損なわれず、安心して見られます。たとえば、一方で、可能な限り形やサイズのそろったリンゴを複数用意して等間隔に並べ、もう一方ではその中の一つから成形型によって造られた、とても高度なイミテーションのリンゴを同様に並べて対比するとしますと、その結果は、どれも正確に全く同じに造られていればいるほど、イミテーションのリンゴの方と自然のリンゴのグループとでは決定的な差異が感じられることでしょう。自然のリンゴの集合物は、どれだけ厳選して同様のものを集めたとしても、そこには微妙なバラツキがあります。
また興味深いことに、どちらも一個ずつ対比して観察した場合は、それぞれ個性ある一個の物として極めて自然に見えるということです。

工芸的製作方式としてのロートアイアン2014年04月02日

ロートアイアン製作のための基本的な道具立ては、熱した鉄を扱う火挾みとそれを叩くハンマー、さらに台として使用するアンビル、鉄を熱して軟化させるためのコークス勉、それに様々な目的のために使用する刃物と治具、などです。有史以来、このように道具を使用して直接手で鉄を加工する手法は、あまり変わっていないことでしょう。しかし道具とは、肉体から動力を得て直接人間が手を通して、作業を行うものといえますが、この道具をエンジンなどの機械的な動力によって補助させることは、ロートアイアンの製作をとても効率的にします。さらに、より高度な機械やハイテク技術の利用については、゛手仕事の意味″との関連で、金属工芸の分野における大命題です。一ついえることは、単純に機械化を排除して手仕事を保護するといった姿勢では産業としてなりたたないということです。

鉄と非鉄金属2014年03月19日

現在において、鉄はその優れた加工性と低価格性、特性の多様さ、剛性といった点から主要な金属とされています。現に鉄以外の金属はまとめて非鉄金属と呼ばれているほどです。

非鉄金属の中でも軽量であることが大きなメリットであるアルミニュウムは一般的に錆びにくいと考えれていますが、アルカリに弱いという特性があり、塩害など使用条件によっては簡単に白化腐蝕してしまいます。そして鉄のように熱間鍛造による加工には不適正といえるでしょう。

鉄とニッケルとクロームの合金であるステンレス・スチールは、錆びない鉄とされていますが、この不錆の性能については合金の配合によって差があります。ステンレス・スチールは鉄の特性を失った一方、硬さと銀色の光沢という特性を得ました。その特性を生かすために、多くの場合塗装を行うことなく表面をヘヤーライン加工や鏡面磨き、エッチング、サンドブラスト等によって加工します。建築工芸の分野におけるステンレス・スチールのデザインや加工技術は、未だ発展途上で、今のところ工業的な加工技術の応用にとどまっていますが、ロートアイアン等に用いるための加工や、表面をあえて酸化させた工芸的表現というような取組も進んでいます。
金属による建築工芸は新素材や技術の発達、さらに現代の急速な建築業界の変革と発展というような新しい環境において、ますます発展していくことでしょう。

鉄の欠点を克服する合金2014年03月12日

ロートアイアンなどを製作するための優れた金属素材である鉄には錆びやすいという欠点がありますが、それを克服するため、コールテン鋼(U.S.スチールの商標)が開発され、広く利用されるようになりました。コールテン鋼は表面層に錆が発生するものの、それが内部に進行する性質を改善したもので、ごくわずかな銅やその他の各種金属を鉄の中に不純物として合金化したものです。これを上手く利用することで、屋外においても鉄そのものの表情を生かしたロートアイアンなどの製品を造ることができるようになりました。また建築工芸の世界においても、とても魅力的な新種の素材といえるでしょう。

鉄の欠点2014年03月10日

鉄はロートアイアンなどを製作するための金属素材として優れた性質を有していますが、一方で重大な欠点もあります。それは錆び易いということです。この欠点を補うため昔から一般的に行われているのがメッキや塗装、といった処理です。このような処理についての技術的な進歩はめざましく、現在では亜鉛メッキを用いたり、サンドブラストによる塗装を行うことで下地処理をし、防錆の効果を生み出しています。そして、ロートアイアンなどの鉄製品の中でも屋内で使用するものについてはたいて防錆は不要で、鉄の表情をそのまま生かすことが可能です。

鉄と温度の関係2014年02月21日

金属素材として、ロートアイアン等の素材である鉄は手工芸的な局面において極めて優れた性質を持っています。鉄はその加工性、特に可塑性について、熱による影響を大いに受けます。鉄はバーナーやコークス炉などを用いることによって熱し続けていくと、色が黒からやがて赤色になり、更に熱し続けていくと白色になります。よく言われる「白熱」「赤熱」という単語は、鉄のこのような熱せられた状態を表現したものなのです。鉄は白熱化すると1,370度付近で突然溶解しますが、このメルト点は鉄の組成によって多少異なります。鉄をロートアイアンの技法を用いて自由にフォーミング可能なのは、およそ1,000度から1,300度を少し越えたぐらいであり、鉄はその比較的広い温度帯において、溶けずに軟化した状態にあります。

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