ロートアイアンの図面について2014年01月20日
ロートアイアンの工房で働く設計スタッフの多くはいつも椅子に腰をおろして製図板に向かい、楽な姿勢で作業を行っています。そのため画かれるものは、例えるならば演奏家が演奏の際に、その通りに奏でれば迷うことのなく奏でられるような、そんな図面でなければなりません。ロートアイアンを製作するスタッフ、特に手工芸的な作業に従事する人は、ほとんどの場合、危険な環境において無理な姿勢で、作業を行っているので、作業するのにあれこれ考えさせるような図面ではいけません。
もちろん実際の製作の現場においては、図面だけで完璧に製作できるとは限りません。しかしそれでも、自分が直接手を加えて製作しない場合ならば、製作におけるあらゆる作業の隅々まで、手工芸的な表現の味というような繊細な部分までも含めて、手のパフォーマンスを通して頭の中で物が造られていることが必要なのです。